出産体験談⑤ 11時過ぎ~ 子宮口全開
出産体験談④のつづきー
連れてこられた陣痛室とは名ばかりの場所で、そこはオペ室へ向かう途中の廊下の一部をカーテンで区切った小さな一人用のスペースで、これまた小さなベッドが一つと、陣痛イキミ逃し専用椅子みたいなものが一脚あった。
一見
パイプ椅子をリサイクルして作った馬の模型のような変な形の椅子
馬でいう、いわゆる首の部分を握りまたがって座るのですが
肝心の座る位置がトイレの便座のように真ん中がぽっかり空いてて正直座りにくい。
ベッドの方が楽なんじゃなかろかとうっすら思いながらも逆らう余裕なく、おばちゃんの誘導に従い座ってみてわかったのですが
陣痛の波が来ると共に、お尻から拳大位の何かが出て来そうになる感覚があった。
明らかにう●こではない
事前勉強から、多分それは中の人の頭だと思ったし、おばちゃんもそう説明をしてくれた。
イキミたいだろうけど我慢よ~
う●こみたいでしょ?
みたいな感じで言われたけど、何となくイメージが違う気がする・・・。
私に言わせてもらえば
そうですねー
海亀の産卵 (弄ばれバージョン)
卵自体が意志を持ち
出ようかな?
やめとこうかな?
やっぱり出ようかな?
でもやめとこうかな
みたいな、亀自体に決定権が無いけど意識だけはかろうじて洗脳されてない状態
寄生虫にやられた宿主みたいですね。
「モウ カンベンシテクダサイ・・・。」
それをおばちゃんが
「出ちゃダメだー!!」
みたいな感じで、出そうなタイミングを見計らい思い切り肛門を自らの拳で押し戻す。
あえて美しく表現するとすれば
シャンパンで言うコルク栓の役割みたいな。
まぁ、お尻の穴なんですけど。
でも拳で思い切り抑えてもらう事で圧倒的に楽になれた。
痛み最高潮であるその時点での小さな痛み逃しなど
星一つを容易に破壊できるというベジータとっておきの技ギヤリック砲を
ヤジロベーの愛刀で対抗しようとするみたいな
限りなく頼りない抵抗ではあるのですが
死ぬほど救いになった気がした。
傍目から見ると
他人にお尻の穴を渾身の力で抑えてもらってる情景
客観的に見れば
恥というか屈辱的としか言いようがないのですが
恥ずかしいと思える余裕はまるで無い
寧ろ味を占めた。
実は、この時点で私を含め産気付いている妊婦が三人いたらしく
おばちゃんは他の妊婦の様子を伺う為に一度部屋を離れる為
こんな壮絶な環境でも一眼レフを手放さない旦那氏にコルク栓の役割をバトンタッチする
普段ならば絶対に嫌すぎる身内からの辱めであるにも関わらず
私の頭の中の思いといえば
ん?
なんか違う。
おばちゃんの時のようなフィット感が無い
・・・・。
流石に三等兵に、ゴッドハンドの仕事を求めるのは無謀か。
もっと強く!!
もっと強く!!
荷が重い責務にも関わらず再び叱られる三等兵。
それでも嫌がらず任務を遂行してくれてありがとうございます。
・・・そしてなんか色々すみません。
・・・この場を借りてこっそり謝っとこう。
自分で書きながらかなり引いた。
ほどよくおばちゃんは戻ってきて再度子宮口の広さを確認する。
おばちゃんの片手は容易に子宮口をスパスパ通過し、そのまま内蔵を引きずりだすんじゃなかろかという勢いだった
ついに子宮口は全開
最高潮の痛みの状態で分娩室へ誘導されるあたし
まだまだ続きます。。
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